2011年5月20日金曜日

海のチェルノブイリ化を防げ

チェルノブイリ原発事故では、土壌汚染が問題になった。

チェルノブイリと福島の違いのひとつは、海だ。
福島原発事故の場合は、土壌汚染だけでなく、海水汚染の問題もある。

東京電力は5月15日、
福島第一原発1号機で、地震発生の16時間後、
メルトダウンの状態にあったことを初めて認めた。

これにより、海のチェルノブイリ化が問題視されている。

汚染水について、懸念の声があがっている。

1号機では圧力容器内で溶融した燃料を冷やすため、
1万トン以上の注水を行ってきたにもかかわらず、
圧力容器や格納容器にたまった水は、その半分にも満たなかった。
13日に作業員が1号機原子炉建屋地下に水があることを目視で確認したが、
その量は約3000トン。
汚染水はどこにいったのか。

汚染水が建屋へ流出し、さらに海に流れていく危険性があるという。その場合、
燃料に含まれる半減期2万年のプルトニウムなどが海を汚染し続け、
海のチェルノブイリともいうべき最悪の事態が現実化する。

建屋からの流出を防ぐことに全力をあげることが望まれる。

汚染水についていえば、建屋地下の水位が20cm以上上昇した3号機でも、
ここ2週間で、建屋やトレンチと呼ばれるトンネルに
高濃度汚染水が2万2000トンたまっていると見られる。
17日午後からこの汚染水を集中廃棄物処理施設に移送し、
水を浄化するシステムをつくり、
汚染水を減少させていくという。

整備されるまでの道のりはまだ遠い。
福島原発の危険はなおつづいている。
海のチェルノブイリ危機もつづく。

チェルノブイリ原発事故の際には、25年後の今なお、原発から半径30キロ圏内での居住が禁止されるほど、土壌が汚染された。


海洋汚染はこれまでほとんど例がない。

海水、海底のほか、海藻や貝類、甲殻類、魚類といった生態系にどれほどの影響を及ぼすか、予想もつかない。